結婚するまでは、スナックで働いていました。私のほかに勤めている女性は四人いたのですが、みんな歳が近くて仲が良く暇な時間や休みの日にも飲みに行ったりするほどでした。そのうちの一人とは本当に気が合い、買い物に行ったりゴルフに出かけたり、いろいろとプライベートなことなども話しをしました。

彼女は、いろんな側面を持っている女性で、准看護師の資格を持っていたり、広告関係の仕事をしていたこともあるらしくチラシなどを作るのもとても上手でした。また、スナックの仕事以外に、突然大学病院の患者さんのご飯を作る仕事を始めたりと、とにかく幅が広くいろんなことをしている人でした。当時の目標は看護師から転職し調理師の免許を取得することだと話していました。将来の夢は、小料理屋的なお店を開くことだと話していたのですが、それも、遠い将来ではなく近い将来のことのようで、空き店舗を見てきたという話も聞かせてくれました。

私には、看護師という医療の世界で働いていた女性がどうしてスナックで働いているのか不思議で仕方がありませんでした。給料も安定しているし、生活はスナックで働くよりは不規則ではありません。看護師なら、高い求人条件でいくところはたくさんあったと思います。医療からの転職先が夜の世界だなんてとてももったいなく感じました。それ後、私の方が先にお店を辞めたのですが、その半年後には彼女もお店を辞めて、地元でバーを始めました。私は自分がトップに立って何かをしたいと感じたことがありません。でも、目標をもって、こんなにも早く実現させた彼女のことは本当に尊敬します。